三橋淳のダカールからの速報を受け取るようになって6年目。最初のころはプレスセンターの数少ない回線を奪い合うようにして送ってきたテキストメール、しばらくたってから衛星電話で、そして今では携帯電話で情報が送られてくるようになった。時代の流れを感じるなあ。
しかし、最初の頃から変わっていないのは、三橋は走っている限り楽しんでいるということ。いろいろ大変なこともあるはずなのだが(なにしろ1日800km近くも走るのだから)、あまりに楽しそうで快活な声からはプロとしてダカールラリーを走っているプレッシャーみたいなものはまるで感じられない。さすがに、リタイアした回のときはやや元気がなかったが今年は元気まんまんで、会話にも笑い声が多く混じる。いい雰囲気だ。
今日は昨日に引き続き、岩の多い山岳ルートだが、しかし今日のほうが路面のあれ方はひどかったようだ。ちなみに今日はトラックは別ルートとなっていることを考えると、かなり狭く険しいルートだったようだ。
「やっちゃったよ(笑)。スタートして30分もいかないうちにパンク。今日は昨日よりもややペースを上げてプッシュしたんだけど、そのせいか初っぱなでパンクしてしまった。しかし、ペースをやや上げた効果は顕著で、昨日まで上位にいたシャボー、ストゥルゴらを軽く抜くことができた。順位も挽回できたので、このペースをうまく保てればいいな、と思うね。もちろんこれ以上ペースを上げるとクルマが壊れるから難しいところ」
「今日もう1つ失敗したのは、スペシャルステージのスタート前に用を足そうとして(笑)脇にクルマを入れたらそこでスタックしてしまったんだ。まずいよねそりゃ(笑)。山田周生さんに引っ張って助けてもらったよ」
「コースは前半がガレガレの山岳路。落っこちたらヤバい、ってガケが続く危険なコースだった。明日からはモーリタニアに入るから楽しみだね。明日はとにかく全開また全開だけど、明後日からのステージは勝負のポイントになるはず。モーリタニアがなかったらダカールじゃないってくらい素晴らしいステージだから、思いっきり楽しみたいと思う。スタックしないようにね。まあ、ライバルがスタックしてザマーミロ、って思った直後に自分がスタックしたりするんだけどね(笑)」。
「昨日はあまりに寒くて、結局ワルザザットのホテルに泊まったんだ。今回はトヨタでトレーナーを連れてきてくれていることもあって、マッサージも受けられるから体調は万全だね。よく眠れるし……だけど、昨日は変な夢を見たなあ。ダカールで犯罪集団に追いかけられる夢。まるでスパイ映画みたいな……映画の見過ぎかなあ。バイクのライダーたちは、昨日の夜は大変だったみたい。マラソンステージだったので、昨日のステージのゴールあたりでビバークしてたんだよね。なかには寝袋もないライダーもいたみたいだから、寒さを考えると大変だったと思う。今日着いたら話を聞いてみようと思う」
「今日、苦労したのは、追いついたジャン・ジャック・ラテが全然抜かせてくれなかったこと。今回の僕らの使命はトヨタで1,2フィニッシュすることだから、それを考えると追いついてきた僕を先に行かせてくれればいいのに、なぜかブロックしまくりで正直困ったよ。さっき文句を言ったけど……」
「とにかく、明日からのモーリタニアは最高のステージ。明日はさほど差は出ないと思うんだけど、楽しんで走りますよ。クルマを壊さないようにね。」
■Stage5順位45位 総合41位(日本時間1/11 2:02)
■Stage5タイム 4:31:22
■総合トップとの差
04:12:37
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Stage 5 - Wendesday 10 January 2007
Ouarzazate - Tan tan
Connection 164 km
Special 325 km
Connection 279 km
Total 768 km |