僕が参戦したのは、主要パーツが交換できない、マラソンクラスと呼ばれるクラスです。つまり、バイクが丈夫でなければ走りきることさえ出来ないクラスということです。
このクラスに、KTMのマシンとともに挑みましたが、本当にマシントラブルは皆無!エンジンだって、オイル交換は毎日なんてしてません。それでも、あの長い登り坂の砂の路面を1速でエンジンをうならせながら、それも相当長時間引っ張っても全く問題ありませんでした。そのくらい丈夫なバイクでした。
モノ作りにおいて、日本製が世界で一番! なんて思っている人が多いと思いますが、そんなことはありません。現に、バイクの世界では、このKTMの堅牢性が飛び抜けてます。ですから、多くの選手がKTMを選んでいるのです。
今ダカールラリーでは、壊れないのは当たり前の世界。そこで高いパフォーマンスを生み出すことを追求したメーカーだからこそ、こうした製品が開発され、しかも販売されている。丈夫で長持ちするだけなら、進化はいらない。このKTMラリーはインジェクション化され電気の支配下に置かれた、いわば現代のバイクですが、きちんとレーシングモデルとして進化させつつ、信頼性を高めているからこそ、多くのライダーが選ぶのです。そしてそれが誰にでも手に入る。こんなこと日本のメーカーではできません。何故できないのか? それが日本の抱える問題だとも思っています。
2001年に、日本製のバイク、日本製のタイヤ、日本人クルーだけ初めてパリダカに挑んだミツハシジュンが、今では全てが外国製&外国人のチームで参加することになった、というのも、考え深いものがあります。
とにかく、KTMというバイクはそういうバイクだということを理解するのに、このマラソンクラスの結果(完走24台中19台がKTM)は、十分に参考になるものなのではないでしょうか?
現場で、日本人なのに、なんで日本車乗らないでKTMなんだ? とよく聞かれました。ヨーロッパの人たちはナショナリズムを大事にするので、その質問はしごく当然なんです。が、これを読んでもらえれば、なぜKTMなのかは、わかるのではないでしょうか?
確かに、何故KTMって思うけど、日本車の実力はラリーの結果が語っていますね。実力者を揃えたHやYのワークスでも、結果ははかばかしくない。日本勢はブランクが長すぎましたね。継続はちから也、ですね。
でももし、次回JUNに日本勢からオファーがきたら、どうする???