TGRFと書いて、TOYOTA GAZOO RACING FESTIVALと読む。トヨタの年末を締めくくるモータースポーツの祭典。というかファン感謝祭に近いかな? に、2年連続でデモ走行を行うことになった。場所は4回目となる富士スピードウェイだ。
初めて開催したのは去年の夏の、フォーミュラーNIPPONでのサテライトイベントでだ。サーキットイベントなので、場所はもちろんアスファルトの上。ラリーマシンをアスファルトの上で走らせるという話をもらったときには正直驚いた。だってラリーマシンはオフロード、というかラリーマシンは砂漠とか土漠を走らせるクルマ。日本のオフロードコースを走らせたって違和感があるのに、それをアスファルトの上! その発想は驚いたし、どうするよそれ、って思った。実のところね。
チームもこういうイベントなんてやったことがない。オレもやったことない(笑)。けれども、前々から日本でラリーカーを、一般の人の前で走らせたいと思っていたから、アスファルトの上でも、まぁいいか!って思ったよ。だって、チームはチームの所属するトヨタ車体の社員向け、もしくはスポンサーおよびメディア向けの同乗試乗会しかしなかった。だから、これはチャンスだと思ったわけ。
そこで、前注文として、とにかくジャンプ台を用意してくれとお願いした。ラリーカーは時速100km/h以上でダートを走るために作られている。そのシチュエーションを日本では望むことは出来ない。ましてアスファルトの上ではなおさらだ。
WRCの乗用車ベースのラリーカーなら、アスファルトの上でもリヤを滑らせてドリフトしたり、その場でグルグル回るマッスルターンで観客を楽しませることが出来るけれども、ランクルのラリーカーは性能的にそういう走りが出来ない。
だったら、ジャンプ台を使って飛べばいいじゃないか。
そういうわけで、とにかくジャンプ台を置いてくれとお願いした。
ラリーの醍醐味と言えばジャンプ! 実際ラリーで何度も何度も飛んでるからね。
車高が高いランクルならではの走りと言えば、やっぱりジャンプなんだ。
ところが、会場に行って用意されていたのは、木で組んだ台(汗)
しかも、会場は15m×15mという、激狭エリア!!!!!!
さらに追い打ちをかけるように、アスファルトにはあまりタイヤ痕を残すなという
ここでオレに何をしろっていううううんじゃあああああーーーー!
その場でぶち切れて帰ろうかと思った。マジで。
でも投げ出さずに何かいい方法はないか? 考えたけど、でもあんまり浮かばなった。浮かばなかったけど、でもこのスペースで自分のベストな走りをするしかないと開き直った。そこでもし、もっと大人しく走ってくれとか言われたら、その時は本当に帰ろう。帰ってやる! そう思いながら当日を走った。
GAZOOから拝借・・
出来ることなんかたかが知れてる。ちょっとサイドブレーキターンしたり、木で組んだ台を壊しながら乗り越えてた多少クルマを浮かした走りをしたり、柵ぎりぎりでコーナリングしてみたり。そんな程度だ。
でもお客さんは予想以上に喜んでくれた。結構人も集まって見てくれるようになった。オレから言わせたらこんな走り、なんだけど、でもサーキットを見に来るお客さんからすれば、初めて見る光景だから、新鮮だったんだろうね。特に呼び込みをしなくても人が集まってくれて、喜んでくれた。
それを見たサーキットの担当者も、タイヤ痕をつけながら走っている姿を見ても、何も言わずに居てくれた。だからオレが帰らずに最後まで走ることが出来た(笑)
それをきっかけに、今度は2011TGRFで走らせることになった。それもだいぶバージョンアップして、だ。というもの、富士スピードウェイ側が用意した、鉄製のモーグルを使えることになったらだ。
これは本来、市販車の4WDの悪路走行を体感してもらう人工のモーグルなんだが、これをオレはジャンプ台に使わせてくれと頼んだ。前回の富士では粉々に壊れた木の台よりも、だいぶ進化したジャンプ台が用意された。
その結果、6〜9mものジャンプでお客さんに喜んでもらえた。なにせフロントから地面に叩き付けられるように着地するから、その姿も人気だったみたい。あまりこんな姿勢になるクルマを見たことないよね、普通(笑) そしてエリアも前回よりも拡大されたので(といっても20×20m)、ギヤが2速に入るようになった(笑)
そのあと、東京お台場にあるメガウェブでも走ることになった。
実は数年前に、このメガウェブでデモ走行の話があった。ここにはある程度スピードの出るコースがあるが、やはりアスファルト。しかもコース幅は狭い。その時はチームが却下したし、その話を聞いたオレも、走る必要はないなって思った。その時はそう思ったんだ。でもそのメガウェブで走らせることになった。
この時は、TGRFト同じモーグルをジャンプ台にして、結構飛んだね! さらに、メガウェブは狭いとはいえスピードが100km/hくらいになる。だからアスファルトとはいえそこからブレーキングドリフトぐらいは出来るようになった。これも、普通のクルマでは当たり前のテクなんだけど、あのでかいランクルがやると、それだけで迫力らしく、これも大いに受けた。だって転がりそうだもんね(笑)
ところが、次に来た話が東京の代々木公園でのイベント。ここは辛かった! というのも、エリアは最も狭く、しかも、絶対にタイヤ痕を残すな! という。とはいえ、サイドブレーキターンも出来ないから、Uターンすら出来ない。ハンドルフルロックでは曲がりきれないのだ。そのぐらい狭い!
でも今まではアスファルトとはいえ、クルマ好きが集まる場所だった。でもこの代々木公園は本当に普通の人が居る場所。だから、とにかくクルマをジャンプさせる事だけに専念して、Uターンは切り返しながら、MCのトークで場をつなぎながら行った。ブレーキングで柵ぎりぎりに止まったりね。でもクルマが浮くところをものすごい数の方々が、本当にびっくりしてみてくれた。
すごい人でしょ!
このイベントを終えて、オレはアスファルトでのイベントにある程度の自信がついた。
確かにラリーとはほど遠い場所だけど、でもこの代々木公園の厳しい制約の中で走らせられたのは、このラリーカーならではだと思う。だって、他のカテゴリーのクルマでは、エンジンかけて走らせても、本当に何も出来ないからね。でもラリーカーならデモランが出来る! それはとても誇らしく思えたよ。
その後はさらに夏に3度目の富士スピードウェイ。さらに広くなって、今度は一瞬3速に入るまでになった!
そして10月には新しいジャンプ台が用意されたメガウェブ! ここでは3速でジャンプ! 12~15mものジャンプを見せる事が出来た!
この飛距離! ここまで来ると、実際のラリーでもなかなか出来ないジャンプだよ!
で、ようやく今回のTGRFだ。
今回はジムカーナコースという広大なエリアを用意してもらった。さらに新型のジャンプ台もある。もうね、今まで狭いところでやっていたから、広すぎてどうしていいか分からないの(笑)
でも、それはとっても贅沢な悩みだよね。
そうして完成したデモコースは、最長17mを超えるロングジャンプ!
結構な距離だったと思うよ。何しろ3速で結構踏んで入っているからね! 時速も100km/hでのジャンプだから、同乗された方もちょっとびっくりしたんじゃないかな?
スピードが出てるし広いから、ドリフトもソコソコ様になったんじゃないかと思うんだよね。
場所がジムカーナコースだったから、かなりメイン会場か遠かったけど、多くの人々が見に来てくれて本当にうれしかった。!
そして、何の催促もしてないのに、自然に拍手が沸き起こっていたのもうれしかったね!
アスファルトでのイベントをこうして7回やったけれども、回を重ねるごとにパワーアップ!
でも、これ、最初の富士のイベントで怒って帰ってたら、決して出来なかった事だよね。だから、最初の富士で、黙認してくれた担当者の方には、本当に感謝してます。あそこで止められていたら、今回のTGRFは絶対になかった。
そして、その最初の富士の、どうしようもない走りでありながら、とても喜んでくれたお客さんのおかげでもある。あそこでツマラナイって言われたら、やっぱり次もなかったからね。
今でも、果たしてラリーカーでこういう走りをしていいのだろうか? って思う事がある。でも、お客さんが喜んでくれることをやっていきたい。まずはそこありきだね。その思いで今後もこういったイベントが出来るように、各方面の方々のご協力をあおぎたいと思います! そして、今回もチーム、TGRFスタッフ、富士スピードウェイのみなさまにも感謝です!
そして、オフロードでのイベントも、ぜひ出来るといいなと、密かにもくろんでます!
V・・とってもいいですねぇ
と同時に、そういう季節なんだと思ってしまいます。
楽しみです・・・今年は2輪でホンダも出るし日本人の注目度も上がるし、
そんな中、激走する姿を思うと、ちょっとドキドキです。
年明けから・・ガッツリ応援しますぜぇ~
顔が借りてきた猫になってるよぉー!
メッセージボード書けなかったので、この場を借りて応援させて下さい。
過去の優勝経験と前回の屈辱を武器に、首位奪還、信じています。
ついでに三浦、ニコラペアもがんばって下さい。