ダカールラリーに出たい。
そういう声を聞くととても嬉しく思う。ぜひ出てくださいと、つい笑顔で応えてしまう。
それが完走出来そうもないような、まったくの初心者でも、関係ない。ぜひ出てねと。
ずいぶん前に、とある主婦にのかたにいわれたことがある。
「恥ずかしくてとてもいえないんだけど、パリダカ出たいんです」。
あれからずいぶん立ったが、今でもその夢を持っているのだろうか?
出たいと思うのは誰もが平等に持ることができる夢だ。あれであろうともだ。だから、ぜひ出てね、と笑顔でいつも言うことにしている。
でも、完走したいんです。と言われたら、話は別だ。
出ることと完走することは、目標が違う。
出るのは誰でも出ることができるが、完走するには、やはりスキルが求められる。
だから、完走したいと言う人には、必要なスキルを具体的に言うようにしている。
君には無理だよ、なんて絶対に言わない。だって、ダカールラリーを完走すると言うのは、みんなが思っているほど、難しいことではないからね。
さて、出たいと思ってくれる人々のほとんどは30歳以上、40歳代がほとんどだ。昔のパリダカに憧れて、仕事も一段落ついて、昔の夢がフツフツと、ということなんだろうか。とても嬉しく思う。昔の情熱を忘れていないってことだからね。そういう大人は、やっぱり素敵だしかっこいいと思う。
では、若い人はどうなんだろう?
今の日本ではダカールラリーの情報が若い人の目に届くことは少ない。テレビでやっていないからね。
では、彼らにダカールラリーの映像を見せたら、どういう反応をするのだろうか?
オレが高校生のときに、初めて見たパリダカは、とにかくかっこ良かったし、何より地平線の彼方までぶっ飛ばして走る、日本にはない映像に、とにかくしびれた。
海外の、地平線を見てみたい!
全開でぶっ飛ばしてみたい!
そういう欲求がわいてきたのを覚えている。とにかくやってみたくなった。
今の人たちは、見てどう思うんだろう?
すごいって思ってもらえるとは思うのだが、それを見て、自分もやってみたいって、自己投影できる物なのかどうかってこと。
ありゃ別世界だよ。
って言われてスゲーで終わってしまうと、少し寂しい。
やっぱり、ダカールラリーの映像を見て、自分もやってみたい! って思ってもらえないとね。
夢を見ることも大事だけれど、夢を見せることも大事だと、最近思う。
私たちが、見せる世代になったってことですよね。
たくさん見させてもらって、夢見て憧れてきたから。
すぐ、無理っていう。やらないで諦めてしまう。
でも、本当は何かやってみたいと思う気持ちって
誰でも持っているんじゃないかな。
夢を見せてくれている三橋さんを応援しているし、
私には何が出来るかな~って最近考えています。